座ってのパソコンや事務系の作業が多い「デスクワーカー」は肩こりをしやすいですよね。
肩がこることで作業の効率が落ちたり、常に首や肩のあたりがスッキリしないので
「治したい」という方も多いと思います。
デスクワークはそもそも「肩こりを起こしやすい姿勢」での作業なので
姿勢の改善が大切になりますが、しっかり肩こりを改善させていくには、それだけでは不十分で
東洋医学的な原因(体質によるパターン)を見つけ、その対処法を実践する必要があります。
なので、ここでは
- ● 西洋/東洋医学的視点による肩こりの「パターン」
- ● そのパターンを改善するケアの方法
などを解説していきます。
当院でも診ることの多い症状の1つですが
何十年と苦しんで来た肩こりがほとんど気にならなくなった!
という方も多いので、参考にしてみてください
※東洋医学に関しては専門用語多めです
目次
肩こりの原因(西洋医学的視点)
肩こりにはさまざまな原因がありますが、一般的に言われている原因と
東洋医学的な視点からみた原因を考えていきます
姿勢の問題
首・肩回りの筋肉は、普段から頭や腕を支えています。
それがデスクワークやスマホの使用時などで、長時間「同じ姿勢」の作業が続くことで
血流が悪くなり、筋肉への負荷が大きくなることで、筋肉が疲労していきます。
また、猫背やストレートネックのような姿勢でいると
呼吸が浅くなり、常に緊張状態を起こしやすく
その結果、「肩がこる」という症状が起こりやすくなります
目や耳・口との関係
顔にある「感覚器」とも関係が深いのが肩こりです。
眼精疲労や視力の問題、口内炎や虫歯、耳の症状がある場合には、肩こりを起こす可能性が高くなります
つまり目や耳・鼻などから「くる」肩こりもあるということです。
病気やストレスによるもの
自律神経の乱れによるストレスなどによっても肩こりは起こります。
また、内臓に病変があると、肩や背部のコリが強く出て
マッサージなどをしても一向に良くならないというパターンもあります。
肩こりの原因(東洋医学的視点)
東洋医学で肩こりを考えた時、主に「気滞(きたい)」「血虚(けっきょ)」という状態がカギになります
- 気滞・・・しっかりカラダをめぐっているはずの「気」が滞る状態
- 血虚・・・東洋医学的概念としての「血」が不足している状態
「気滞」や「血虚」が首・肩まわりで起こることで、肩こりという症状を起こすので
それがなぜ起こるのか、そのパターンを解説します
冷えによるもの
寒くなったり、冷えると「カラダが固まる」ような感じを受けると思います。
実際、冷えることで筋肉が緊張し、血流や気の流れも悪くなりやすいので
冷え体質の場合は「こり」や「痛み」などの気滞による症状を起こしやすくなります。
冷えに関しては以下の記事も参考にしてみてください
「臓腑・経絡」の異常
東洋医学における臓腑や経絡というものに異常があると、気滞や血虚を起こしやすくなります。
デスクワークのような座り仕事が続くと、膀胱や胃腸(とその経絡)に負荷がかかりやすいです。
例えば(※中級者以上向け)
- ・下半身を動かさないため気が「上逆」、上部で滞りやすい
- ・PCなどの凝視で「肝血」を消耗しやすい
- ・姿勢などから、呼吸が浅くなり消化不良などを起こしやすい
その結果、気がうまく流れなかったり、血が不足するということになっていき、肩こりを起こすことも多くなります。
栄養的な問題
筋肉の疲労の回復には「ビタミン・ミネラル」類が大きく関わります。
普段から栄養が偏りがちだと、筋肉の回復が遅れるのもそうですし
「血」を作り出す、腸の働きも鈍ってくるため、気滞や血虚も起こしやすくなります。
肩こりを予防・改善するケアの方法
ここまで書いたパターンはほんの一例ですが、肩こりを訴える方によく見られる問題です。
これらの原因への対処法として、ストレッチやツボなどを紹介していきます。
※効果には個人差があり、基本的には継続しないと効果を感じにくいです
肩こり予防のストレッチ
肩こり解消のためには、まずは「動かす」ことが大切になります。
特に、肩周りのストレッチや、デスクワークで動かすことの少ない下半身の筋トレが効果的です。
以下の動画などを参考にしてみてください
ちなみに以下の筋トレ動画は、私もお世話になってる一人です。
肩こり解消の「ツボ」の一例
承山(しょうざん)
● 場所:
ふくらはぎの中央あたり
● メモ:
肩周りに繋がっている「経絡」のツボの1つで、気滞や筋肉症状に効果的です。
ここをゆっくり、少し指がめり込むくらい押すと効きやすくなります。
このツボが痛い!という場合、寝不足や運動不足など、生活習慣が悪い可能性も高いです。
合谷(ごうこく)
● 場所:
手の親指と人差し指の付け根(水かき)のあたり
● メモ:
気滞に対してとても効果的なツボです。
肩こり以外にも頭痛やイライラしやすいなどがある方には特にオススメ
やや強めで、グーっとゆっくり押してあげると効きやすいです。
関元(かんげん)
● 場所:
へそから指4本分下の辺り
● メモ:
肩周りに気滞してしまう原因となる、「腎」や「腸」関係に効果的なツボです。
ここは押すのも良いですが、「お灸」で温めてあげるのがより効果を発揮しやすいです。
お灸に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
栄養面のケア
糖類の摂りすぎは、神経伝達や血液循環にたいして悪影響が多いです。
また、糖類の代謝にもビタミン・ミネラルが使われているため
栄養が偏る、お菓子やジュース・加工品ばかりの食生活を続けると
ビタミン・ミネラル不足により、肩こり以外にも様々な症状を起こす原因になります。
まとめ
デスクワークの方は特に作業環境から肩こりを起こしやすいです。
なるべく「猫背」や「ストレートネック」のような姿勢にならないようにして作業をするのがまずは一番ですが
それだけでなく、「肩こりが治る」カラダを作って、ケアしていくことも大切です。
本記事にある内容を実践するだけでも変わってくるので、習慣づけてみてください。
「バランスの良い食事」を心がけ、不足しがちな栄養素はサプリメントで。というのもアリ