足の少陽胆経の流注・経穴などのまとめです。
胆経も経穴数が44と多めで覚えるのが大変ですよね。
しかし、カラダの「側面」を走る経絡であり、胆経の経穴はカラダ側面の病症にもよく用いられます。
流注も複雑ですがしっかり覚えることで治療レベルが格段に上がります。
※基本的に私や学生などの備忘録として利用するつもりで書いています。
画像(裏面が透けていたり)や病候が自己流の解釈となっている点、ご容赦ください。
目次
「経脈」の循行と病候
流注
足の少陽胆経
外眼角(瞳子髎穴)に起こり、上って側頭部に抵り、耳の後に下り、頚を循ったのち、肩に上る。
大椎穴で左右が交わり、肩を循ったのち缺盆穴に入る。
その支なるものは耳後より耳中に入り、耳前に出て目じりに至る。
その支なるものは外眼角より別れて大迎穴に下り、頬に上り、手の少陽三焦経に合し、下って下顎角へ行き、ついで缺盆穴の先のものと合する。
缺盆穴から胸中に下り、横隔膜を貫いて肝を絡い胆に属する。
その直なるものは肩から側胸部、季肋部を循り、別支は胆に属したのち脇を循り、鼠径部の気衝穴に入り、ともに股関節のあたりに入り合する。
股関節のあたりから大腿および下腿の外側を下り、足の第4指の末端に終わる。その支なるものは足背から分かれて母指に行き、足の厥陰肝経に連なる。
wikipedia
経穴一覧
取穴部位:外眼角の外5分
筋肉:眼輪筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:上顎神経
血管:頬骨眼窩動脈
取穴部位:耳珠の前下方で、口を開ければ陥凹のできるところ
知覚神経:耳介側頭神経
血管:浅側頭動脈
取穴部位:頬骨弓中央の上際
禁鍼穴
筋肉:側頭筋
運動神経:三叉神経
知覚神経:耳介側頭神経
血管:頬骨眼窩動脈
取穴部位:頭維穴と懸釐穴を結ぶ線上で、頭維穴の下1寸
筋肉:側頭頭頂筋、側頭筋
運動神経:顔面神経、三叉神経
知覚神経:耳介側頭神経
血管:浅側頭動脈前頭枝
取穴部位:頭維穴と懸釐穴を結ぶ線上で、頭維穴の下2寸、コメカミのほぼ中央
筋肉:側頭頭頂筋、側頭筋
運動神経:顔面神経、三叉神経
知覚神経:耳介側頭神経
血管:浅側頭動脈前頭枝
取穴部位:頭維穴の下3寸で、側頭下髪際と前兌髪際との接点
筋肉:側頭頭頂筋、側頭筋
運動神経:顔面神経、三叉神経
知覚神経:耳介側頭神経
血管:浅側頭動脈前頭枝
取穴部位:角孫穴と和髎穴の中間
筋肉:側頭頭頂筋、側頭筋
運動神経:顔面神経、三叉神経
知覚神経:耳介側頭神経
血管:浅側頭動脈
取穴部位:角孫穴の上1寸5分
筋肉:側頭頭頂筋、側頭筋
運動神経:顔面神経、三叉神経
知覚神経:耳介側頭神経、小後頭神経
血管:浅側頭動脈の枝
取穴部位:耳後髪際の上2寸の部から前3分
筋肉:上耳介筋、側頭筋
運動神経:顔面神経、三叉神経
知覚神経:小後頭神経
血管:浅側頭動脈
取穴部位:耳後髪際の上1寸
筋肉:側頭筋
運動神経:三叉神経
知覚神経:小後頭神経
血管:後耳介動脈
取穴部位:浮白穴と完骨穴のほぼ中央で、乳様突起基底部の後、陥凹部
筋肉:後頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:小後頭神経
血管:後耳介動脈
取穴部位:乳様突起中央の後方で、髪際を4分入ったところの陥凹部
筋肉:胸鎖乳突筋、頭板状筋
運動神経:副神経、頚神経叢筋枝、脊髄神経後枝
知覚神経:小後頭神経
血管:後頭動脈
取穴部位:神庭穴と頭維穴を結ぶ線上で、頭維穴の内方1寸5分、神庭穴の外方3寸
筋肉:前頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:眼窩上神経
血管:眼窩上動脈
取穴部位:眉弓中央の上1寸
筋肉:前頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:眼窩上神経
血管:眼窩上動脈
取穴部位:瞳孔の直上で、神庭穴と頭維穴を結ぶ線上との交点、神庭穴の外方2寸2分5厘
禁灸穴
筋肉:前頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:眼窩上神経
血管:眼窩上動脈
取穴部位:頭臨泣穴の後1寸
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:眼窩上神経
血管:眼窩上動脈
取穴部位:頭臨泣穴の後2寸、目窓穴の後1寸
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:眼窩上神経
血管:眼窩上動脈、後頭動脈
取穴部位:頭臨泣穴の後3寸5分、正営穴の後1寸5分
禁鍼穴
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:大後頭神経
血管:後頭動脈
取穴部位:頭臨泣穴の後5寸、承霊穴の後1寸5分で、脳戸穴の外方2寸
筋肉:後頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:大後頭神経
血管:後頭動脈
取穴部位:乳様突起下端と瘂門穴との中間で、後髪際陥凹部
筋肉:頭板状筋、頭半棘筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:頚神経後枝
血管:後頭動脈
取穴部位:肩髃穴と大椎穴を結ぶ線のほぼ中間で、乳頭線上
禁鍼穴
筋肉:僧帽筋
運動神経:副神経、頚神経叢後枝
知覚神経:鎖骨上神経
血管:頚横動脈
取穴部位:腋窩中央の下方3寸で、中腋窩線上の肋間、正中線より外方8寸
禁灸穴
筋肉:前鋸筋
運動神経:長胸神経
知覚神経:肋間神経外側皮枝
血管:外側胸動脈、胸背動脈
取穴部位:淵腋穴より乳頭に向かい1寸、正中線より外方7寸
筋肉:前鋸筋
運動神経:長胸神経
知覚神経:肋間神経外側皮枝
血管:外側胸動脈、胸背動脈
取穴部位:期門穴の直下5分
要穴:胆経の募穴
筋肉:外腹斜筋、内腹斜筋
運動神経:肋間神経
知覚神経:肋間神経前皮枝、肋間神経外側皮枝
血管:肋間動脈
取穴部位:第12肋骨前端下際
要穴:腎経の募穴
筋肉:外腹斜筋、内腹斜筋
運動神経:肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経
知覚神経:肋間神経外側皮枝
血管:肋間動脈
取穴部位:章門穴の下1寸8分で、臍と同じ高さの水平線上
筋肉:外腹斜筋、内腹斜筋
運動神経:肋間神経、腸骨下腹神経
知覚神経:肋間神経外側皮枝
血管:肋間動脈
取穴部位:帯脈穴の内下方3寸、上前腸骨棘の内側
筋肉:外腹斜筋、内腹斜筋
運動神経:肋間神経、腸骨下腹神経
知覚神経:腸骨下腹神経
血管:浅腸骨回旋動脈
取穴部位:五枢穴の内下方5分
筋肉:外腹斜筋、内腹斜筋
運動神経:肋間神経、腸骨下腹神経
知覚神経:腸骨下腹神経
血管:浅腸骨回旋動脈
取穴部位:維道穴から環跳穴に向かい下3寸、上前腸骨棘と大転子の中間
筋肉:中殿筋、大腿筋膜張筋
運動神経:上殿神経
知覚神経:外側大腿皮神経、腸骨下腹神経外側皮枝
血管:外側大腿回旋動脈
取穴部位:側臥して股関節を深く屈し、股関節横紋の外端、大転子の前上方陥凹部
筋肉:中殿筋、大腿筋膜張筋
運動神経:上殿神経
知覚神経:上殿皮神経
血管:上殿動脈
取穴部位:膝の上7寸、直立して手掌を大腿外側に当て中指尖端の下際。腸脛靭帯と大腿二頭筋の間
筋肉:外側広筋、大腿二頭筋、腸脛靭帯
運動神経:大腿神経、坐骨神経
知覚神経:外側大腿皮神経
血管:外側大腿回旋動脈下行枝
取穴部位:大腿骨外側上顆の上5寸で、腸脛靭帯と大腿二頭筋の間
筋肉:腸脛靭帯、大腿二頭筋腱
運動神経:坐骨神経
知覚神経:外側大腿皮神経
血管:外側大腿回旋動脈
取穴部位:陽陵泉穴の上3寸で、大腿骨外側上顆の上際で、腸脛靭帯と大腿二頭筋腱の間
禁灸穴
筋肉:腸脛靭帯、大腿二頭筋腱
運動神経:坐骨神経
知覚神経:外側大腿皮神経
血管:外側上膝動脈
取穴部位:膝をたてて腓骨頭の前下際
要穴:合土穴、筋会、足の太陽膀胱経の下合穴
筋肉:長腓骨筋
運動神経:浅腓骨神経
知覚神経:外側腓腹皮神経
血管:外側下膝動脈、後脛骨動脈の腓骨回旋枝
取穴部位:外果から陽陵泉穴に向かい上7寸
筋肉:長腓骨筋
運動神経:浅腓骨神経
知覚神経:外側腓腹皮神経
血管:前脛骨動脈
取穴部位:外果の上7寸、陽交穴の後方で長腓骨筋とヒラメ筋の間
要穴:郄穴
筋肉:長腓骨筋、ヒラメ筋
運動神経:浅腓骨神経、脛骨神経
知覚神経:外側腓腹皮神経
血管:前脛骨動脈
取穴部位:外果から陽陵泉穴に向かい上5寸
要穴:絡穴
筋肉:長腓骨筋
運動神経:浅腓骨神経
知覚神経:外側腓腹皮神経
血管:前脛骨動脈
取穴部位:外果の上4寸の部より前3分
要穴:経火穴
筋肉:短腓骨筋
運動神経:浅腓骨神経
知覚神経:外側腓腹皮神経、浅腓骨神経
血管:前脛骨動脈
取穴部位:外果から陽陵泉穴に向かい上3寸
要穴:髄会
筋肉:短腓骨筋
運動神経:浅腓骨神経
知覚神経:外側腓腹皮神経、浅腓骨神経
血管:前脛骨動脈
取穴部位:外果の前下方、足部を外転背屈し、最も陥凹するところ
要穴:原穴
筋肉:下伸筋支帯
知覚神経:浅腓骨神経
血管:前外果動脈、外側足根動脈
取穴部位:第4・第5中足骨底間の陥凹部
要穴:兪木穴
筋肉:第4背側骨間筋
運動神経:外側足底神経
知覚神経:浅腓骨神経
血管:第4背側中足動脈
取穴部位:第4中足指節関節の後、外側陥凹部
筋肉:第4背側骨間筋
運動神経:外側足底神経
知覚神経:浅腓骨神経
血管:第4背側中足動脈
取穴部位:第4中足指節関節の前、外側陥凹部
要穴:滎水穴
筋肉:第4背側骨間筋
運動神経:外側足底神経
知覚神経:浅腓骨神経
血管:第4背側中足動脈
取穴部位:足の第4指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分
要穴:井金穴
知覚神経:浅腓骨神経
血管:第4背側中足動脈の枝
「経脈」の病候
口が苦く感じられる、よくため息をつく、心胸部や脇・脇腹のあたりが痛み寝返りが出来ない。
本経の異常が強くなると、顔が土色になり、カラダにも光沢がなくなり、足の外側がつったり、熱を持ったりする。
頭痛、こめかみの痛み、目の奥などが痛み、缼盆の中が腫れたり痛む。
脇の下が腫れ、冷や汗が出て、寒さで震えたり、瘧、循行部位が厥冷し痛んだり、薬指が麻痺したようになる。
「絡脈」の循行と病候
絡脈の循行
外果の上方五寸で分かれて厥陰に走る。
その別の枝は下って足背に至る。
絡脈の病候
邪気などにより実していると、足背部が厥冷する。
虚しているときは、下肢に力が入らず麻痺したようになって、座っても立つことが出来ない。
「経別」の循行
経別は、大腿外側の部位で分かれ出て、陰部(毛際)に入って、足厥陰に合する。
分かれるものは季肋の間に入り、胸の裏に循って胆に属し、
散じて上って肝に至り、心を貫き、ノドを挟んで、下顎を経由し、顔で散じて目系に繋がり、目の外眦で本経脈と合流する。
「経筋」の循行と病候
経筋の循行
足の第4指(薬指)から起こり、上に向かって外果に結し、下腿外側に沿って上行し、膝の外側に結す。
腓骨部から分かれたものは、上に向かい大腿外側に至って、前は伏兎の上に結し、後ろは尻(尾骶骨)に結す。
直行するものは、上って脇腹・季肋部を経て、脇の前にめぐって、側胸部・乳部を経由し、缼盆に結す。
直行するものは上って脇に出て、缼盆を貫き、太陽膀胱経の前に出て、耳の後ろ、こめかみ、反対側のアゴを経由して鼻の傍らに結す。
その分かれたものは、目の外眦に結し、「外維」となる。
経筋の病候
足の薬指がつっぱって拘急・痙攣したり、膝の外側までの筋肉が引きつったりして、膝の曲げ伸ばしが出来なくなる。
膝裏の筋肉が硬くなって、前側は大腿前面、後ろは尻に引かれるように痛み、季肋部に乗り上がるような感じがする。
缼盆・胸を上方に引き上げられたような感じがして、頚の筋肉が硬く、引きつったようになる。
本経筋は下顎の部分で左右の循行が交差するため、例えば左側の側頭部などの経筋を損傷すると右足に麻痺などが起こる。
「皮部」の循行
本経の経脈・絡脈の循行している部分に基づいて、
足の薬指の背面、足背の外側、外くるぶし前面、大腿・下肢外側、脇肋部、腋前部、側頚・側頭部などに分布する