督脈の循行とツボ・病候などのまとめです。
督脈の経穴は背部や頭部に存在しています。
地球上で生活をしている以上「重力」によって必ず負荷を受けるため
この督脈上の経穴にも反応が出やすいですし、診断や治療にも使うことが多いです。
基本的には個人の備忘録の用途で作成しています。
画像が見にくかったり、個人の見解による翻訳等もありますがご容赦ください。
「督脈」の循行と病候
督脈の循行
少腹より起こり、以て骨の中央に下る。
女子は繋なり延孔に入る。その孔は、溺孔の端なり。
その絡は陰器に循って、簒間に合し、簒後を繞る。
別れて殿を繞り少陰と巨陽の中絡のものとに至って合する。
少陰は股内の後廉に上り、脊を貫き腎に属す。
太陽と目の内眦より起こり、額に上って巓上に交わり、入りて脳を絡い、
環って出でて別れて項に下り、肩髆の内に循って、脊を挟み腰中に抵り、入りて膂に循って、腎を絡う。
その男子は茎下に循って簒に至ること女子と等し。
その少腹より直上するものは、臍の中央を貫き、上って心を貫き、喉に入り、頤に上り唇を環り、上って両目の下の中央に繋なる。
経穴一覧
取穴部位:尾骨下端と肛門の間、伏臥位で取穴
要穴:督脈の絡穴
筋肉:肛門尾骨靭帯、外肛門括約筋
運動神経:陰部神経
知覚神経:陰部神経
血管:下直腸動脈(内陰部動脈の枝)
取穴部位:仙骨裂孔の中央陥凹部、伏臥位で取穴
筋肉:浅後仙尾靭帯
知覚神経:仙骨神経後枝
血管:下殿動脈
取穴部位:第4・第5腰椎棘突起間、ヤコビー線上、腸骨稜との交点
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯、棘間筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:腰神経後枝
血管:腰動脈背枝
取穴部位:第2・第3腰椎棘突起間(左右の第12肋骨の先端を結んだ線と正中線の交点)
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯、棘間筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:腰神経後枝
血管:腰動脈背枝
穴部位:第1・第2腰椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯、棘間筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:腰神経後枝
血管:腰動脈背枝
取穴部位:第11・第12胸椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第10・第11胸椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第9・第10胸椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第7・第8胸椎棘突起間、左右の肩甲骨下角と正中線の交点
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第6・第7胸椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第5・第6胸椎棘突起間、左右の肩甲棘突起内端と正中線の交点
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第3・第4胸椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第1・第2胸椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
血管:肋間動脈背枝
取穴部位:第7頚椎棘突起と第1胸椎棘突起間
筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯、棘間筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:頚神経後枝
血管:頚横動脈上行枝
取穴部位:後髪際を入ること5分の陥凹部、項窩の中央
筋肉:項靭帯、棘間筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:頚神経後枝
血管:頚横動脈上行枝
取穴部位:後髪際を入ること1寸、外後頭隆起の下方
筋肉:項靭帯
知覚神経:大後頭神経
血管:後頭動脈、頚横動脈上行枝
取穴部位:外後頭隆起上際の陥凹部、百会穴の後4寸5分
筋肉:後頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:大後頭神経
血管:後頭動脈
取穴部位:正中線上、脳戸穴の上1寸5分、百会穴の後3寸
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:大後頭神経
血管:後頭動脈
取穴部位:正中線上、百会穴の後1寸5分
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:大後頭神経
血管:後頭動脈
取穴部位:前髪際を入ること5寸、左右の耳尖を結んだ線と正中線の交点
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:大後頭神経、眼窩上神経、耳介側頭神経
血管:眼窩上動脈、浅側頭動脈、後頭動脈
取穴部位:百会穴の前1寸5分
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:眼窩上神経
血管:眼窩上動脈
取穴部位:正中線上、前髪際を入ること2寸、百会穴の前3寸
筋肉:帽状腱膜
知覚神経:眼窩上神経
血管:眼窩上動脈
取穴部位:正中線上、前髪際を入り1寸、顖会穴の前1寸、百会穴の前4寸
筋肉:帽状腱膜、前頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:滑車上神経、眼窩上神経
血管:滑車上動脈、眼窩上動脈
取穴部位:正中線上、前髪際を入り5分、上星穴の前5分、百会穴の前4寸5分
筋肉:帽状腱膜、前頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:滑車上神経、眼窩上神経
血管:滑車上動脈、眼窩上動脈
取穴部位:鼻尖(鼻の先)の中央陥凹部
知覚神経:眼神経
血管:顔面動脈、鼻背動脈
取穴部位:人中の中央で、鼻中隔の直下
筋肉:口輪筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:上顎神経
血管:上唇動脈
取穴部位:上唇の上端正中にあり、外皮と粘膜の間
筋肉:口輪筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:上顎神経
血管:上唇動脈
取穴部位:上歯齦の前面正中、(上唇を反転し)上唇小帯の直下
知覚神経:上顎神経
血管:前上歯槽動脈
「督脈」の病候
気が少腹から上って心を衝いて痛み、便通不可になる。これを「衝疝」という。
女性の場合には、不妊になり、小便不利、痔、遺尿、ノドの乾きなどを起こす。
脊背部の強直、後弓反張、厥気の上逆などが起こる。
「風邪」が風府穴から上って脳に入ると「脳風」を起こす。
「絡脈」の循行と病候
絡脈の循行
膂を挟んで項に上り、頭上に散ず。
下って肩甲の左右に当たり、別れて太陽に走り、入りて膂を貫く。
絡脈の病候
邪気により実している時は、脊背部が強直する。
虚しているときは頭部が重く感じられて、頭が揺れるて動く(ような感じがある)