- ● 東洋医学で効果を出せる理由
- ● 予防が得意と言ってるワケ
- ● 効果が認められている病気など
「東洋医学が良い」とか「東洋医学はスゴイ」というのは聞いたことはあるんだけど、なぜそう言われるかは知らない
なんで東洋医学で予防や治療ができるのか分からないから抵抗ある。
という声もよく耳にします。
東洋医学は「予防」や「体質改善」といったことが得意な医学ですが
東洋医学が良い・スゴイと言われているのには、西洋医学と呼ばれる現代の医学と
「考え方(病気などの概念)が違う」という部分が大きいかもしれません。
考え方や病気・症状の捉え方、治療法などのいろんな部分で西洋医学と違うため
「病院に行っても治らなかった症状が治った!」みたいなことが起きることも多いのです。
また、この考え方を知って、東洋医学への抵抗も少なくなることで
病院などの西洋医学と、鍼灸や漢方、整体などの東洋医学を
その時の状態にあった治療法として「選べる」ようにもなっていきます。
本記事では東洋医学が、何がどう得意なのかを主に紹介しています。
ご参考になれば幸いです〜。
目次
東洋医学で効果を出せる理由
東洋医学でも効果を出せるぞ!と言える理由はたくさんあるのですが、今回は主な2つに絞ってお伝えします。
概念から違う
東洋医学の場合、自然や人体が「陰陽」、「五行」、「気・血・津液(水)」のような
概念と、そのバランスによって成り立っていると考えられており
病気や症状はこのバランスの乱れによって起こると考えられています。
そのバランスの何が・どう崩れているのかを、独特な診断方法で判断し
それらを平常化をすることで「人間が本来持っている生命力」を高めるための治療が行われます。
自然治癒力や免疫力と呼ばれる部分を正常化したり、高めたりする。
それによって「根本的にも治療できる」ということになります。
全体的なバランスを取るから
現代の医学では、さまざまな検査・診断によって、細胞や組織などの「より細かい」部分を診ていくことで病変を見つけ
それを健康な状態に戻したり、戻らない場合は内臓や組織を切除することで進行を食い止めたり。といった治療が行われます。
それに対し東洋医学の場合、全体的なバランスをもとに診断・治療をしていきます。
病変・症状のある部分にだけ注目するワケではなく、「なぜその状態になっているのか」に重きを置くので
例えば鍼灸の場合、「頭痛の原因が胃腸関係のバランスが崩れてるせいだな。」となれば
足のツボを使って頭痛を治療したりも可能になったりします。
なぜ予防が得意なのか
東洋医学は現代の医学とは違った概念(視点)と、診断・治療をしていますが
それの何が予防が得意に繋がるのかを簡単に解説します
「未病」も治療対象だから
日本未病学会 の定義によると
未病の定義
● 検査値に異常はないが、自覚症状がある場合
● 自覚症状はないが、検査値に異常がある場合
日本未病学会
となっていて
未病(みびょう)とは「病気にはなっていないが病気の兆候がある状態」であり
「病気の手前の状態」を総称したような意味合いになっています。
そんな状態でも東洋医学では、独自の診断法によって
現代医学の病名にあたる「証(しょう)」というものに、患者さんを分類していきます。
証が判明すれば、鍼灸や漢方、あん摩と言ったさまざまな治療法により、その証を改善するようにしていきます。
つまり、病院では「別に治療するほどじゃないな・・・」と言った状態だとしても、東洋医学では治療対象だったりするため
未病の段階で治療が出来る=より早い段階の予防が可能。ということになるのです。
個人に合ったアドバイスが可能だから
また、東洋医学の治療は「証」をもとに行っていくため、「個人個人に合ったアドバイス」が可能になってきます。
タバコや運動不足は体に悪いよ。のような、みんなに共通することだけでなく
例えば「水」に関して
この人は「乾燥」傾向があるからもっと水分摂取した方が良いな
この人は「水はけの悪い状態」だから控えさせたほうが良いな
といった風に、個人の状態を改善させるための「最適解」を提示できる可能性が高まります。
効果が認められている疾患一覧
未病を治す=予防が得意。というのが東洋医学の大きなメリットですが、病気の状態でも効果はあります。
東洋医学の中の1つ、「鍼灸」によって効果が期待できるよ。
と認められている(と言われている)病気は以下のようなものがあります。
鍼灸による効果が認められている疾患
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運動器系
リウマチ、関節炎、頚腕症候群、頚椎捻挫後遺症、腱鞘炎、五十肩、腰痛、(骨折・打撲・むちうちなどの)外傷の後遺症
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神経系
神経痛、神経麻痺、脳卒中後遺症、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠
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循環器系
動脈硬化症、高血圧、低気圧、動悸、息切れ
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呼吸器系
気管支炎、喘息、カゼ症状
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消化器系
胃腸疾患、胆嚢炎、肝機能障害、肝炎、胃十二指腸潰瘍
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婦人科系
更年期障害、不妊、乳腺炎、生理痛、月経不順、血の道、白帯下、冷え性
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代謝内分泌系
バセドウ氏病、糖尿病、痛風、脚気、貧血
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生殖・泌尿系
膀胱炎、尿道炎、性機能障害、尿閉、腎炎、ED、前立腺肥大
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耳鼻咽喉系
中耳炎、耳鳴り、難聴、メニエール病、鼻出血、鼻炎、咽喉頭炎、扁桃炎
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眼科系
眼精疲労、仮性近視、結膜炎、かすみ目、ものもらい
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小児科系
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)、小児喘息、 アレルギー性湿疹、耳下腺炎、夜尿症、虚弱、体質改善
可能性と注意点
上記のような症状、疾患に効果があると認められていますが、これはあくまでも「そう言われている」というものです。
「施術者の実力」や、その他さまざまな要因で、これらに効果を出せない場合もその逆もあります。
このあたりは「東洋医学は再現性が低い」ということでもあり
当院でもそのように声かけしていますが
まずは病院などの医療機関を受診してからの方が安全と言えます。
まとめ
東洋医学は、胡散臭い・変な宗教だと思われることも少なからずあります。ですが
- ● そう思われてしまうのは、現代の医学と考え方が大きく違うせい
- ● 東洋医学はWHOなどにも認められていて、怪しいわけではない
- ● 「証」を診断することで、未病という「病気の前段階の状態」から治療できる
という特徴を持っている「医学」の一つです。
現代医学で病気と判明して、しっかりした治療が受けられるのであればそれも良いですし
健康診断や人間ドックなどを受けて異常はないが何かしらの自覚症状がある。
という場合などは東洋医学を受けてみるのも一つの手段かもしれませんよ。
「頭痛なら頭周辺の病変があるに違いない!」と考える、現代の医学とは大きく違うね