- ● 東洋医学とは何か
- ● 今の医学との違い、東洋医学のイマイチな点
- ● 東洋医学が優れている点
「東洋医学」というワードは耳にするけど、そもそも何? どういうことしてんの?
今の医学と何が違うの? という疑問をお持ちの方も多いかと思います。
また、東洋医学を知らない側からすると「怪しい…」と感じてしまうかもしれませんが
「WHO(世界保健機構)」で認められていたり、宗教でも怪しい学問でも無いということです。
専門であるはずの鍼灸師でも苦手な人が多い東洋医学ですが、
少し分かるようになると自分の不調くらいならセルフケアで改善させられる ようになっていきます。
10年鍼灸師をやってきて、普段から東洋医学とは?をわかりやすく伝えるように四苦八苦している私ですが
まずは東洋医学って何よ?という疑問を解消するためになるべく簡単に解説していきます。
目次
-
1. 東洋医学って何?
-
2. そもそもなんで「東洋」?
-
3. 東洋医学と西洋医学の違い
-
4. 東洋医学が優れているポイント3選
-
5. まとめ
東洋医学って何?
東洋医学とはその名のとおり「医学」の1つです。
東洋医学とは
現在日本の伝統医学業界では、古典医学書に基づく薬物療法・漢方医学と、
経穴などを鍼や灸で刺激する物理療法・鍼灸医学、両者を合わせて東洋医学と呼んでいる
wikipedia
最近の医学は、「西洋医学」や「現代医学」などと言われる学問がベースですが
7〜18世紀くらいまでは日本の主流の医学だったようです。
場合によってはアーユルヴェーダ(インド独自の医学)などと合わせた意味で「東洋医学」と言われることもあります。
東洋医学と呼ばれるものには以下のような特徴があり、独自の概念(気とか、津液とか、陰陽とか)をもとに診断・治療をします。
- ● 体質などの、カラダの内面から治そうという考え方
- ● カラダを構成しているもののバランスを保つことが大事
- ● 食療法など、食事などでもバランスが存在し、治療に活かせる
そもそもなんで東洋?
東洋とは「日本」のことです。
もともとは昔の中国から伝わった医学でしたが
それが日本で独自の進化をして「東洋医学」と呼ばれるようになりました。
なので中国や韓国の医学とはビミョーに違うということなんですが、あまりこの辺は気にしなくていいと思います。
西洋医学の台頭
日本で独自の進化をしたことで 「東洋医学」はしばらくは日本の主流の医学であり、医療といえば東洋医学でした。
しかし、明治頃に「西洋医学しか認めん。」という政策になり、現在のように、医者=西洋医学を学んだ者。
という形になっていきます。
この時代に解剖学が発達し、科学も発展してきたこともあり、世界的に医学がどんどん進化してきた時代だったようです。
現在も医師免許があれば、鍼灸や漢方は治療として行うことができるけど逆はナシなんだよね。
東洋医学の立ち位置は?
そんなこんなあって、現在医学の中でも「おまけ」くらいの立場にある東洋医学ですが
近年は東洋医学の1つである「漢方」を処方する病院が増えてきているなどの傾向もあります。
西洋医学があまり得意じゃない部分の治療や予防面を、東洋医学が支えて
多種多様な症状を改善にさせていこうという働きが見られるようになってきています。
東洋医学の素晴らしさ・面白さを知っている側からすると、もっとスポットライトを浴びて欲しいなとも思いますが
寿命が伸びたり、病気の治療法がどんどん確立されてきている西洋医学に比べると、広がらないのも仕方ないのかもしれません。
東洋医学と西洋医学の違い
東洋医学にない西洋医学のメリット
筆者が考える、西洋医学の1番のメリットは 「再現性に優れている」ということです。
日本のどこに行っても、病院に行けば「同じような検査や治療」が受けられます。
仮に旅行中でも、おくすり手帳があれば最寄りの病院でいつも通りの処方をしてもらえる。
全国チェーンのような安心感があります。
また、検査の面においても、映像や数値で客観的にみることができる西洋医学の方が
治療を受ける側としても納得しやすいし、効果があるのかどうかという調査や研究もしやすい。
などのメリットがあります。
- 西洋医学は再現性に優れている
- 全国で同レベルの治療や検査が受けられる
- 客観的に自分の病状を判断しやすい
その反面、東洋医学は、施術をする「タイミング・気分・施術者の能力」などのさまざまな要因で効果が変わります。
また、舌・脈・顔色・肌の感触・・・などを診ることで状態を把握しますが
施術者の感覚」頼りの検査のため、診断結果やそれをもとに行う治療内容にもバラつきが存在してしまいます。
患者さん側にしてみれば、施術してもらうまで分からない。
といった、ギャンブルのように当たり外れが存在する。という面を持っています。
東洋医学は治らない?
東洋医学は医学として長い歴史があり、さまざまな症状の治療法として西洋医学に劣っているわけではありません
しかし、先述のように東洋医学は「治療・効果の再現性が低い」という面を持っていて
この性質上、「あそこの治療院では治らなかった」「東洋医学やってもらったけど効かなかった」
のようなことが起こってしまうのも否定できない部分ではあります。
東洋医学は今の医療と違い、安定した効果を出すのが難しいんだよ
東洋医学が優れているポイント3選
東洋医学には色々と問題も多いのも事実ですが、東洋医学だって負けてない!と言えるところもたくさんあります。
今回はその中でも3つ紹介していきます。
予防がお得意
西洋医学では、検査などで早期発見をすることは出来ても、
「病変が起こる前の状態でその症状を根本的に治療する」ことは難しいです。
東洋医学の世界では有名な言葉に「未病治」というのがあり、未病とは病気になる前の状態のことです。
つまり病気になる前に治しちゃお!という考えがあります。
仮に、症状はあるんだけど病院で検査して異常なしって言われたー。
としても、独特な診断方法で症状の原因をさぐり、治療することが可能な場合も多いです。
東洋医学が、予防が得意な理由の詳細などは下の記事で詳しく解説しています。
原因がわかれば治療法がある
「原因や病気が判明しても、治療法がない」ということは東洋医学では基本的にありません。
これが原因だ!と見つけてさえしまえば、ツボへの刺激や漢方などで症状を改善していくことが可能になります。
「どうやってこの症状が起こっているか」そのものが治療法になるんだ。東洋医学の体質チェックはそのためだね。
対症療法でなく根本改善も
症状に対して治療をするという意味では西洋も東洋もあまり変わりはありませんが、
西洋医学では痛み止め・解熱剤などのように「症状を抑えること」に特化していますが
東洋医学の場合、症状改善はもちろん、根本的な原因の改善に重きを置いています。
クスリであれば症状を抑えてくれるために服用し続けることが基本方針になりますが
東洋医学は、鍼灸や漢方などの、西洋医学とは違ったアプローチで
「体質の改善」に向けて治療していくということです。
まとめ
東洋医学も西洋医学も歴史が深く、それぞれにメリット・デメリットなど特徴があります。
どちらが絶対に上!ということは無いです(と筆者は思ってます)が、それぞれの特徴を理解して
あなたに合った治療法を選択してくださいね。
東洋医学の治療を受けたい!という場合はお近くの鍼灸院や、漢方を扱う医療機関・薬局などで相談すると良いかもしれませんよ。
まぁなんにせよ昔からある医学ってことだね