【自宅でセルフケア】灸頭鍼にも使える、ちょっと本格的な温灸の作り方

「カラダを温めたほうがいいよ!」という話を聞いたことはありませんか?

実際、カラダを冷やすことで代謝が落ちたり、自律神経系や筋肉系症状が起きてきます。

特に女性は男性に比べ、冷えによる症状を訴えやすい傾向にあり

婦人科疾患は、冷えがベースにあることが多いので、 なるべくカラダを温めたほうが良いと言えます。

そういった面から、カラダを温める目的の関連商品や、

最近では「ペットボトル温灸」や「あずきカイロ」のようなものもたくさんあり

セルフケアの意識が高まっているのはとても良いことだと思います。

もちろんこういうものもお手軽で良いと思うのですが

職業柄なのか、ちゃんと「お灸(きゅう)」をやりたい!という話もよく耳にします。

お灸にもさまざまな種類がありますが、初心者でも簡単にできて

しっかり温める効果もあるのは「温灸(おんきゅう)」かなと思ったので今回は

  • ● 温灸について
  • ● 自宅で簡単。温灸の作り方

などの内容をお伝えしていきます。

カラダを温めることで、血流を促し、代謝を上げることでさまざまな症状に対して効果が期待できるため

セルフケアでも使えるお手軽な方法が人気ですが

この記事は、もぐさを使ってお灸をしたいという人向けの「ややマイナー」な内容になっています。

興味がある場合は読んでみてくださいね

カラダを温めるなら「温灸」

温灸 とは「熱さを軽減したタイプのお灸全般」を指す言葉です。

カラダを温めることで、さまざまな症状に対処することが可能ですし、方法も色々考えられますが

あまり深掘りしすぎると、混乱して、セルフケアとして使いにくくなってしまうのと

温灸は「カラダを温める」という目的での使い勝手が良い

というのが特徴の1つなので、ここでは温灸を紹介することにしています。

自宅で簡単にできる温灸と言えば「せんねん灸」が有名ですが

「ツボ」に対してアプローチすることによって、そのツボの効果を出そう。

というような目的で使うことが(個人的には)多いため、温める目的ではイマイチかなと考えています。

なので、せんねん灸も良いのですが、もうちょっとマニアックなものを紹介しようと思います

温灸がセルフケアに向く理由

もぐさを直接肌の上で燃やすタイプのお灸は「熱い」のもそうですが

初心者、慣れてない方がこの方法をセルフケアとして行うと、火傷や水疱ができる危険性が高いです。

ビワの葉や塩の上にもぐさを乗せたり、棒のようなお灸を燃やして体に近づけるなどの方法で

輻射熱により、「じんわりとカラダを温めることができる」のが温灸の特徴なので

火傷もしにくく、心地いい温かさを感じることが出来る。

というのもセルフケアに向く理由の1つです。

セルフケアはもちろん実務にも

鍼灸師なら「灸頭鍼」を実務で使うことも多いかと思いますが、

鍼が細いと、もぐさの重みで火傷の危険があったり、準備や点火に時間がかかる

といった問題があり、個人的にはめんどくさい方法でした。

この方法なら鍼にもぐさを付けなくても、そのまま鍼の上からかぶせて使えるので

私(鍼灸師)もセルフケアや施術にも愛用しています。

同じ鍼灸師で、灸頭鍼やるの苦手なんだよな・・・。という方や

セルフケアでちょっと本格的なお灸をしたい!という人にオススメです。

ちょっとマイナーな温灸の作り方

前置きが長くなりましたが、作り方をご紹介します。

材料

お近くのホームセンターで数百円〜千円ちょっとで揃うかと思います。

  • 塩ビ(塩化ビニール)パイプ
  • 金網(ホームセンターで計り売りしてる)
  • 接着剤
  • ハサミやペンチなどの針金を切れるもの
  • 作業用手袋

塩ビパイプはホームセンターなどで取り扱っていますが

サイズ等々、いろんな種類があって混乱するかもしれません。

以下の商品リンクは、当院で作った際のと同じサイズのようなのでご参考までに。

この写真のパイプは「呼び径」が40のものらしく、「ソケット 型番40」みたいに書かれています。

(このサイズだとお灸に慣れてない方には「熱い」と感じやすいようなので、もう一回り大きくても良いかも。)

作り方の手順:1

まずは塩ビパイプの「底」の直径くらいに金網をカットします

  • ①: 金網に塩ビパイプを乗せて、どこでカットするか目安をつける
  • ②: その目安をもとに、金網をカットする。

※金網のカットした破片や、とがった部分で肌を傷つける可能性があるので注意。作業用手袋をつけた方が安心です

作り方の手順:2

カットした金網を塩ビパイプの中に「押し込む」

※私はこういう作業は雑なのでテキトーに押し込みますが、 ぴったりサイズでカットすればキレイにはまります。

作り方の手順:3

接着剤でくっつける。

塩ビパイプと金網の合わさる部分を接着剤でまんべんなくくっつけます

完成

以上。完成です。楽勝ですね

念の為しばらく乾かせば「温灸」として使うことができます!

お灸をする

お灸をする時に必要なものと、あると便利なもの

  • ライター
  • 灰皿になるもの
  • もぐさ
  • ピンセット(もぐさをつまむ用)
  • 紙絆創膏(パイプの滑り止め目的)

あとはこんな感じでお灸をするだけです。

温かい感じが無くなったら終了。パイプの中の灰を灰皿にポイってして終わり。

自宅でお灸をする時の注意点

パイプはそこまで熱くはなりませんが、中の金網部分は熱くなっています。

また落として火事になる危険性もあるので十分注意して行ってください。

なお禁忌となる部分(顔や首、粘膜部、皮膚病の患部)への施術はやめておくほうが無難です。

補足

温灸のもぐさは基本的になんでも大丈夫ですが

「灸頭鍼用の切り艾」の方が、お灸をしている時に灰が落ちたりしにくいです。

現在、当院 で使用しているのは「山正 灸頭鍼用切り艾(大)」というもぐさですが

煙の出にくいもぐさなどもあるのでお好みでいろいろ試してみるといいかもです。

以下にリンクを貼っておくので参考にしてみてください。

まとめ

カラダを温める方法には色々ありますが

ちょっと本格的にやりたいという場合は「温灸」に挑戦してみるのも良いかもしれません。

本格的な温灸を自宅でやる場合は何かと用意が必要になりますし

その分、費用もそれなりにかかってしまいますが

ここで紹介したような方法は、数百円〜4,000円(もぐさ代含め)程度でしばらく温灸ができるので

もし良かったら試してみてくださいね。

お灸をする場合は火事・火傷に注意して行ましょう。